MALICE MIZER / Moi dix MoisのギタリストManaにより1999年に設立されたブランドMoi-même-Moitiéの20周年を記念して開設するオンラインサロンのスペシャルコンテンツ『Mana様×著名ゲストによる緊急対談』。スタートから早くも1年間が経ち、遂に今回が最終回。ラストを飾るのは、Mana同様“女形”としてステージに立ち続けるアーティスト、KayaさんとHIZAKIさんの登場です。貴重な女形三人衆の初対談、お楽しみください。
(文・構成/本田水奈子)

――まずは、お三方の出会いからお伺いしたいと思います。


Mana:HIZAKIくんとはVersaillesと対バンしたことがあるので。
HIZAKI:あれはもう7年くらい前ですね。
Mana:ただ、その時はちゃんとは話していないんです。
HIZAKI:そうですね。挨拶程度でしたので。
Mana:だから、まともに話すのは今日が初めてになるのかな。
Kaya:え、そうなんですか!?
HIZAKI:そうです。
Kaya:そうなんですね〜。私とひーちゃんとは、初めてご一緒したのが高田馬場AREAで2001年の4月2日です。
HIZAKI:ずいぶん詳しく。
Kaya:ええ、詳しく覚えております。もう19年前ですね。なんやかんや付かず離れず。「あ、元気〜?」みたいな、親戚のような距離感ですね(笑)。
Mana:今日、3人で対談って話をきいた時はどう思ったの?
Kaya:私すごく嬉しかったですね〜!
ひーちゃんともずっと対談したいね、って話してたけど出来ていなかったのと、Mana様はなんといっても師匠ですので対談できるというのはとにかく嬉しかったです。

――そんなみなさんにお集まりいただいたということで、今日はいつもとはちょっと趣向を変えて、くじ引きトークをしたいと思います。容器の中に紙に書いたテーマが入っていますので、それを順番に引いてトークをしてみてください。ではMana様から。

Mana:はい。では……ふむふむ『女形あるある』というのが出ました。
2人:お。
Mana:女形あるあるということでお話するなら、やっぱり女性ものを身につけるからなのかなぜか女性の気持ちまで芽生えてしまって“男性メンバーの中で着替えるのが恥ずかしくなる”、っていうのがのがありすけど……、二人はどうぉ?
Kaya:(笑)私は特にそういうのは無いですね。私の場合はセクシャリティなところも謎なので余計混乱させてしまうと思うんですけど。ただ女形をずっとやってると「本当に女の人になりたい人なの?」みたいなことはたまに聞かれます。
HIZAKI:なるほど。
Kaya:でも、そんなことは全然なくて。ステージ上の女形を極めたいという考え方があるので……普段は私、男っぽい恰好をしているし。
Mana:そうだよね。
HIZAKI:僕、衣装の下は女性物のインナー着てます。ドレスの下が男性物だったら変じゃないですか?
Kaya:え、今も?
HIZAKI:そう。
Kaya:え、すごいね!ずっとってことだよね?
HIZAKI:ずっと。
Mana:ってことは、メンバーの中で着替えるのは恥ずかしいよね?
HIZAKI:まあ、笑いを取るためにわざと見せたりはしますけどね。
Kaya:(笑)
HIZAKI:さすがに対バンの時はちょっとトイレで着替えたりはしますけど。
Mana:なるほど。
HIZAKI:でも……。うーん、なんかもうどうでもよくなってきた感じはあります。
Mana:というと?
HIZAKI:男とか女とか、どうでもいいというか。自分の場合はステージに立つには女形でないとダメっていう感覚なんですけど。
Kaya:分かります。私も最近、性別とか聞かれても「KayaはKayaです」って答えています。
Mana:私も「ManaはManaです」
Kaya:(笑)おっしゃる通りでございます!
HIZAKI:(笑)
Mana:じゃあ次のテーマを引きますか(微笑)
HIZAKI:はい。ジャジャン。『一番昔の記憶』。幼少期ってことですかね?
Kaya:私の一番古い記憶は2歳かもしれないですね。幼稚園に入る前。「早く幼稚園に行きた〜い」って言っていたのを覚えています。
HIZAKI:僕は、記憶とはまた違うんですけど、2〜3歳くらいの写真は妙に女の子の服を着てるんですよ。
Mana:へぇ。
HIZAKI:どういう育て方してたんだっていう。
Kaya:立派にそのまま育ちましたね。
HIZAKI:そうそう。
Mana:今の姿を親はどう思ってる感じ?
HIZAKI:この前、すごく久しぶりに実家に帰ったんです。そうしたら、僕の衣装そっくりの人形が飾ってあって「昔からこれなんでずっと飾ってるの?」って言ったら「お前にそっくりだから」って。
Mana:女形やってるバンドマンの親御さんたちが、息子が女の恰好をしていることについてどういう風に思うのかっていうのは確かに知りたいかもしれない。
HIZAKI:僕、幼稚園くらいまですごい女の子っぽかったんですけど、小学校になってから結構男っぽく変わって野球とかしたりして。
Kaya:野球?! へえ。
HIZAKI:うん。だからこういう感じになったのって、バンドやり始めてからで。
Mana:今現在、例えば実家に帰ったときに周りの同級生とかのリアクションってどうなの?
HIZAKI:デビューするまではいろいろ言われましたね、結構。デビューしてからはだいぶなくなりましたけど。
Mana:そっか。うちは田舎だったし、デビューしたころはまだネットも普及していなかったしで情報が錯綜して「あそこの息子さんがニューハーフになったらしいよ」っていう噂が町中に走りまして。
Kaya:はいはいはい、ありますよね。
Mana:で、どんどん話が大きくなっていって「手術も受けてるらしいよ」っていう話になってて。
Kaya:(笑)
Mana:「あそこの息子さん、遂に女の子になったらしいよ!」っていう(微笑)
Kaya:地方あるあるですね〜。
Mana:ハイ(微笑)
HIZAKI:Manaさん、子供の頃ってどんなんやったんですか?
Mana:意外に男っぽい子供だったんだよ。女装する要素もなかったし。
Kaya:ご趣味とか好きなもの結構男っぽいですもんね。
Mana:超合金とかそういうのが好きだった。
Kaya:ですよね。
Mana:ロボット系が好きで、たぶんお人形遊びとかしてたように見えるんだろうけど、全然そんなこともなく。
Kaya:逆に、少年Mana様が今のMana様になるキッカケってなんだったんですか?
Mana:うーん……。
Kaya:見目麗しい、ドレスアップした姿に魅かれていったキッカケというか。
Mana:急にこうなったということではなく徐々になんだけど、さかのぼれば波乱万丈なヴィジュアル遍歴があって。女装とは無縁のハードコアパンク時代もあったり。
Kaya:はい。前におっしゃってましたよね。
Mana:なので説明が結構難しいのよ。しかも、最初ジャニーズだったでしょ?
Kaya:ジャニーズ? …だったでしょ?
Mana:(微笑)だったでしょ? って言ってもわからないか。
HIZAKI:え、Manaさんジャニーズだったんですか?
Mana:いや、ジャニーズを目指して中学生の頃はダンスの練習してたの。
Kaya:えぇぇぇー!?
Mana:はい。
Kaya:20年近くのお付き合いで初めて聞いたかもー!
Mana:MALICE MIZERにダンスする曲があるのって、あれはもう私のそういう趣味を生かしたっていう。
HIZAKI:ほぉー!
Kaya:そうだったんですね〜。
Mana:結構ずっとダンスは好きだったので、バンドでも楽器を弾くことにこだわらないっていう考え方に至ったんだよね。
Kaya:バンド活動の芯の部分は少年時代に繋がってたんですね。 
Mana:です。……じゃあ、次いこうか。
Kaya:はい。……よっ!『キュンキュンすること』。
HIZAKI:……。
Mana:……。
Kaya:あります? 最近。
HIZAKI:キュンキュンっていうのは、女性にってこと? 
Kaya:そうとは限らないかもしれない。
HIZAKI:どっちにしろ最近ないですね。
Mana:私もなかなかないけど、強いて言えば海外に行くときに飛行機の中で割と映画を観るんだけど、面倒くさい映画は観たくないなっていうのがあって。
Kaya:分かります。
Mana:あんまり考え込むような映画はイヤだから、気楽な感じの単純な邦画をボーっと観ようかなと思ったら、意外とハマってキュ〜ン?ってするっていう(微笑)
Kaya:(笑)え、恋愛映画ですか?
Mana:そう、恋愛映画。キュ〜ン?な映画との出会いが時々ある。
Kaya:最近もありました?
Mana:あったあった。あのね、『九月の恋と出会うまで』(川口春奈×高橋一生)っていうやつ。トータルで3本くらい観たんだけど……。
Kaya:多め!
Mana:あと『フォルトゥナの瞳』(神木隆之介×有村架純)とかも良かった。結構、邦画ってキュンキュンするんだなと。
HIZAKI:(笑)
Kaya:へぇ〜。それは良いコト聞きました、私はあんまり邦画を観る機会がないので。
Mana:私も家ではまず観ないよ。飛行機の中だけ。期待せずに観るからかもしれないけど、結構キュンとする作品との出会いがあって「甘酸っぱい恋っていいな」と思ったり。
Kaya:いいですよね〜。だって音楽作る側とすれば作品を生み出すためには、そういう心の刺激って必要ですもんね。私もさっそくお薦めのその2作品を観てみます。
Mana:はい。では次……。ん? 『オリンピック』?って……何をしゃべればいいんだろう?
Kaya:っていうくらい興味ないですか?
Mana:無いね〜。いや、お二人はわからないけど。
Kaya:私も1ミリも興味ないです。
HIZAKI:僕も無いんですけど、日本が注目されるっていうことで何か仕掛けたいな、とは思ってますけどね、やっぱり。
Mana:あ、そうなの。スゴイ。
Kaya:特にそういうのも無いです。
HIZAKI:(笑)
Mana:具体的に何か仕掛けたいことはあるの?
HIZAKI:いや、大きいアーティストがみんな、7月8月にやるっていう噂は聞いてたんですけど結局誰も動いてなくて、上がやらないと下はどう仕掛けていいか…みたいな感じなんです。ま、オリンピック前後で海外展開はちょっと考えていますけど。
Kaya:期間中は交通機関も大変そうですしね。
Mana:なるほど〜。
HIZAKI:まあ、オリンピック自体にはナンの興味は無いんですけど(笑)
Mana:ですよね。では、次。
HIZAKI:はい。えっと……『A.I』だって。すごい質問の振り幅……
Kaya:A.I……、最近すごいですもんね。
Mana:ですね(微笑)
HIZAKI:ですです(笑)
Kaya:アハハハ! じゃあ次(笑)……あら! スゴイの引いちゃいました!
Mana:ん?
Kaya:『MALICE MIZER』ですって!
HIZAKI:お。どう切り込んでいきましょう……。
Mana:まあ、逆に言えば……、2人がMALICE MIZERを知った時にどう思ったのか、とか聞きたいかも。
Kaya:なるほど。私はちょうど『Voyage』を出された頃に偶然MALICE MIZERのポスターを見たのが最初です。当時私は「黒服であるべき!」みたいな気持ちが強かったのでMALICE MIZERのポスターを見て、特にMana様とKöziさんを見て「やり過ぎやろ!」って思ったのが第一印象でした(笑)。とにかく、スゴイ人たちが出てきたなって思って音源を聴いてみたらめちゃくちゃハマってしまったんです。それまで私がいかに自分の固定観念にしばられていたかっていうのがよく分かって、「ああ、こんなに自由に表現していいんだ」っていうのを後押ししてくれたというか。
それからは朝から晩まで毎日聴いていました。
Mana:それはありがたい。
HIZAKI:曲がとにかくすごく良かったですよね。よくある、見た目だけのバンドではなく、メロディがすごく良かったから。
Mana:MALICE MIZERを知った頃ってどのへんのとき?
HIZAKI:僕も『Voyage』からですね。多分最初は『SHOXX』とかそのへん見かけて「なんじゃコレは!!!」と思って、で曲を聴いてみたら「曲がスゴイ!」となったっていう感じです。
Kaya:メロディの良さ。あとは曲が結構むちゃくちゃやってるっていう。「え、ここで『エリーゼのために』入る?」みたいなあの展開とかね(笑)
Mana:あ〜。もうね、音楽理論とか無視しまくって好き勝手にやってたからね(微笑)
Kaya:でもその感じにすごく感動したのを覚えています。
HIZAKI:結局、曲が良いからずっと語り継がれているんだと思います。
Kaya:時代を変えるバンドっていると思うんですよ。X JAPANだったり、最近だったらゴールデンボンバーだったり。流れを大きく変えたバンドというか。MALICE MIZERもそういう存在だったんだな、と思います。MALICE MIZERが出てくる前と後ではシーンがまったく違いますし。
Mana:なるほどね。MALICE MIZER以前のヴィジュアル界隈は体育会系だったからね。
Kaya:そうですよね。MALICE MIZERの出現以降はとても自由になったし、表現の方法も多様化したと思います。そういう一端を担ってくださったな、と。
Mana:私たちより前の世代は「気合入れろー!」みたいなノリがずーっと続いてたし。
Kaya:そうでしたよね。私はそういう「気合入れろー!」「オー!」っていうノリが苦手なタイプだったので、すごい救われた部分が大きいですね。いつも感謝しております。


思いもよらないトークテーマを引くことで、今まで明かされなかったエピソードがどんどん飛び出す女形三人衆トークは後半へ。
後半のトピックは…
■MALICE MIZERの衣装は今……
■性のグラデーション?
■Mana様が放つ“話しかけるなオーラ”
■生涯Mana様

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