MALICE MIZER / Moi dix MoisのギタリストManaにより1999年に設立されたブランドMoi-même-Moitiéの20周年を記念して開設するオンラインサロンのスペシャルコンテンツ『Mana様×著名ゲストによる緊急対談』。
今回は、遂に待望のこの方!
MALICE MIZERのベーシストYu〜ki伯爵が来て下さいました。
長い付き合いだからこそのMana様の男前な語り口は最近ではレア中のレア!
Yu〜ki伯爵がファッション観について語る貴重なお言葉の数々も必見です。
(文・構成/本田水奈子)

――お二人が出会われた頃というのは、お互いの私服はどんな感じのものをお召しだったのですか?

Mana:当時から髪の毛がすごく長くて、女物のヒールの高い靴を履いてたから、私服姿はかなり怪しかったと思うけど。そうじゃなかった?
Yu〜ki:Manaちゃんの私服姿って、俺の中ではずっと変わらないイメージなんだよね。つばの広い帽子かぶって、サングラスかけてっていうスタイルを貫き通してるもんね。
Mana:たしかに。当時はものすごく細かったから、ほとんど女性ものの服ばっかり着てたんだよ。実は。
Yu〜ki:そうだね。俺もそうだった。
Mana:Yu〜kiちゃんも女物の服着れてたの?
Yu〜ki:着れてた。細かったから(笑) というのはあの頃、既成のメンズの服って面白いものがあんまり無かったんだよね。
Mana:そうそう。
Yu〜ki:そうするとどうしても、デザイン的にレディースに行ってしまうという。
Mana:それはあったかも。やっぱり男性ものって作りが大きかったりするんだよね。ウエストをシェイプしたものが着たいとなると、レディースで探すしかなかった。まあ、自分が女形っていうのもあったけど。なので、割と女性もののお店に行ってたかな。
Yu〜ki:当時はステージ衣装も、今よりもっと女形だったかもしれないよね、Manaちゃん。
Mana:そうだった?
Yu〜ki:なんていうのかな、今よりもっとリアルな女性が着る服に近いというか。スーツとか。それこそ身体のラインが出るような。膝上の丈のスカートとかも履いてたでしょ?
Mana:バブルの時代だったからね。ちょっとジュリアナってたかもしれない(微笑)
Yu〜kiちゃんの私服の印象って、ブルージーンズを素敵に履きこなす男だなって。
Yu〜ki:んふふふ。
Mana:僕は、ブルージーンズを履いたことがなくて、ジャンル的に敬遠してたんだけど、なんかYu〜kiちゃんが履いてるとスタイリッシュに見えるんだよねコレが。うまく着こなしてるなっていうのが、印象深い。
Yu〜ki:なるほど。
Mana:たしか、Leeじゃなかった?
Yu〜ki:そうだね。実はジーンズを履いてた時期ってものすごく短いんだけど、自分の中で一時期マイブームだったんだろうね。やたらジーンズ履いてた短い期間はあったかもしれない。当時はあだ名もLeeになってたからね(笑)
Mana:そう!
Yu〜ki:ジーンズだけじゃなくブルース・リーとかにもかかってるんだけど。
Mana:僕は、ブルージーンズはたぶん人生で挑戦することはないなって決めてたのよ。似合う自信がなくて。
Yu〜ki:あの頃って、私服でもメンバーみんなソールの高い靴を履いてたでしょ。そうなるとどうしてもバランス的に俺も普段から厚底を履かざるをえないわけ。で、俺的にはソールの部分が見えてるのっていうのがどうしても美的に許せなかったの。
Mana:へぇ。
Yu〜ki:そうなるとブーツカットを選ぶことになるんだけど、その流れでデニムまでいっちゃったんだよね。パンタロン的な。Manaちゃんは当時黒いパンツに、シャツのイメージが強いかな。ペイズリー柄の。
Mana:そうね。ペイズリーはね、中学生の頃から着てたんだよ。好んで(笑)
Yu〜ki:好んで(笑)
Mana:デパートで買って(笑)
Yu〜ki:ふふふ。
Mana:なんなんだろうね、異様にペイズリーにハマったんだよね、不思議なことに。
Yu〜ki:なんで?
Mana:ゾウリムシが好きだったのかな。
Yu〜ki:(笑)
Mana:感覚的にゾウリムシに惹かれたのかも。それで中学生の頃から全身ペイズリーの服を好んで着てた。最近は着てないけどね。東京に出てきたころ、衣装の大場さんに表はベルベットで裏がペイズリー柄のこたつカバーを作ってもらって。それくらい好きだったんだよ。
――お二人でお洋服を買いに行くということは無かったんですか?

Yu〜ki:無いなぁ…
Mana:うん、一緒に買い物に行くってことがそもそも無かったかもしれない。Yu〜kiちゃんだけじゃなく誰とも行ったことないかもしれない。
Yu〜ki:飯にはよく一緒に行ってたのにね。
Mana:うん。Yu〜kiちゃんはKöziと服買いに行くことが多かったの?
Yu〜ki:そうね、Köziが一番多かったね。プラーっとDCブランドの古着屋を廻ったりとか。なんで古着屋かっていうと、バンド始めたばかりの当時はお金がなかったから。恵比寿とか渋谷とかよく行ってたね。で、ギャルソンだったりイッセイだったりとかちょっとお高いブランドを中古で買ってた。
Mana:当時は苦労してでもカッコイイ服着たかったからね。
Yu〜ki:そうだね。当時ね、LUNA MATTINOとかそこらへんのブランドが結構流行ってたんだよ。
Mana:流行ったねー。
Yu〜ki:でも高いんだよ。だから中古で手に入れたりとか。当時、海外のアーティストとかも結構LUNA MATTINO着てて。
Mana:衣装にしてたりもしたよね。
Yu〜ki:うん。時代的にちょっとゴージャスな感じのものが流行った頃なんだよね。ヴェルサーチとか。Manaちゃんのステージ衣装でも、スーツでちょっとヴェルサーチの雰囲気の総柄のものとかあったでしょ?
Mana:やっぱりバブルのノリだよね。なんだかんだ。
Yu〜ki:うん。
Mana:世の中はバブルだったけど、バンド自体はぜんぜんバブルじゃなかったから、そのゴージャス感を衣装なり私服なりでも追い求めようとするとなかなか厳しかったよね。
Yu〜ki:常に見せ方とかヴィジュアルにはこだわりたかったし。音楽だけでなく。着る物に関するこだわりが全員強かった分、苦労はしたよね。
Mana:うん。
Yu〜ki:だってさ、ステージだけ世界観を貫いて、会場出るときジーンズにTシャツだったらガッカリなわけで。大場さんに出逢うまではかなり苦労した。Manaちゃんが一番最初に出会ったんだよね。
Mana:うん。いつって言われるとちょっともう分からないんだけど。
Yu〜ki:復活劇の……、恵比寿で撮影したときからじゃない?
Mana:復活劇は大掛かりにやろうって話になって。
Yu〜ki:あの時は俺はまだ大場さんには作ってもらってなくて、自分で燕尾服用意した記憶がある。
Mana:あ〜! ゲイリー・オールドマンのイメージで、っていう。
Yu〜ki:うんうん。
Mana:で、あの時初めての髭じゃなかった?
Yu〜ki:そう。その頃だね。
Mana:華麗なる復活劇の写真に髭がいるってバンド業界がザワついたんだよ。
Yu〜ki:んふふふ。Manaちゃん家でコンセプトをいろいろ考えてて、その中で“髭”っていうワードが持ち上がってね。
Mana:うん。そうだね。その頃、個々の個性をどう出して行くかっていうのをすごくメンバーで話し合ってて。最初から女形だったから、あとの男性陣がどっちの方向に個性を振っていくかっていうのは重要ポイントだったんだよね。
Yu〜ki:俺的にはそれまで、きれいな雰囲気でヴィジュアルを作ってたんだよ。MALICE MIZER初期もそうだし、その前のバンドの時も。中性的なイメージの。でもそれってバンド界隈にはよくいるタイプなわけで。当時、ヴィジュアル系といえばこういうメイクにこういう服着てるんでしょっていう。
Mana:そうね。
Yu〜ki:正直それはそれでやってて心地よかったっていうのもある。好きだったアーティストもそんな見た目だったし、そういうアーティストに影響受けてメイクすることへの憧れもあったし。でも“個性”として考えた時に、どっか型にはまっちゃってるなって自分の中でもあって。
Mana:うん。
Yu〜ki:どうにか自分の個性を出したいな、って思い始めたんだよね。自分のオリジナルで自分にしかできないものはなんだろうって。そこで出てきたのが“髭”。色も、もともと黄色だったり茶色だったりっていうアースカラーが好きっていうのもあったから、誰ともかぶってないってところで黄色のイメージを出して行こうって決めたのも、そこらへんの時期だと思う。
Mana:そうだね。
覚えてるのは、大阪から東京に出てきてMALICE MIZERをやり出して、初めてキレイに撮ったアー写がたぶんモルガーナってところで撮ってんだけど、SHOXXかなんかに載ったんだよ。
Yu〜ki:うん。
Mana:そしたら友達に、「Manaちゃんのバンドって〇〇(自主規制)が二人いるなぁ」って言われて。ガーン! ってなってさ。
Yu〜ki:あぁ〜。髪の毛の立て方も似たような感じだったんだろうね。真ん中から分けてフワァっと立てる感じ? ちょっと前髪とサイドが長くて後ろ短いみたいな。
Mana:そうそう。だからそこから脱却しないといけないな、っていうのは思ったよね。
Yu〜ki:常にオリジナルを作らなきゃダメだって、貪欲なものがどんどん芽生えていった時期なんだよね、メンバーのみんなの中に。誰かの真似をしてたらダメだし、したくないっていう。革新的な革命を起こしたいっていうか。
Mana:で、起きたのが髭の革命。
Yu〜ki:うん。賛否両論だったけど(笑)
Mana:そうね。
Yu〜ki:髭なんか無い方が良いってけっこう言われたし。
Mana:“ヴィジュアル系=美しいもの”っていう概念がファンの人の中にもバンド界隈の人の中にも大前提としてあったからね。そこに来て「え、髭!?」ってなったんだよね。
Yu〜ki:そうだね。
Mana:髭って、最初から生やしてたんだっけ?
Yu〜ki:うーんとね……いや、付けてた。で、付ける物のバリエーションが増えていってた(笑)羽だったりとか。
Mana:美しさが大前提のヴィジュアル系っていう概念を、ある意味“髭”というものでぶち破ったわけだけど、葛藤はあったんじゃない? Yu〜kiちゃん自身もそうだろうしファンの人たちもそうだろうし。
Yu〜ki:葛藤はあったよね。でもね、逆に綺麗路線に戻す方が簡単だなっていうのは自分の中に常にあったんだよ。綺麗にすれば支持されるっていうのも分かってたし。その上で、逆を行くことでの楽しみもありつつ、ギリギリのところを攻めてハズしたり。いわゆる失敗ね。
Mana:(微笑)
Yu〜ki:でもそれはそれで、チャレンジ精神は常に持っていたかったし。
Mana:そうね。
僕のメイクって、ある程度基準があるんだよ。でもYu〜kiちゃんって結構、その時々によってメイクも変えてくるよね?
Yu〜ki:そうだね。
Mana: Yu〜kiちゃんの眉毛がこんな(手振り)になってる時があったの覚えてる?
Yu〜ki:あ〜(うんうん)
Mana:で、これはさっきとは別の知り合いに言われたんだけど「Yu〜kiさんの眉毛、バイク(ハーレー)のハンドルみたいじゃないですか!」って。
Yu〜ki:(笑)
Mana:Yu〜kiちゃんは結構、奇抜な試みをバンバンやってたよね。メガネかけたりね。
Yu〜ki:そうね。当時はネットも普及してなかったから、メイクの情報とか研究をする術も限られてたし、もう自分の感覚でやってたんだよね。眉毛を2本とか3本にしてみたりとか。
Mana:髪型も、ヴィジュアル系の概念からはかけ離れた感じにしたりね。
Yu〜ki:ザ・七三分けとかね(笑)
Mana:ピッチリ!
Yu〜ki:そんな髪型もしたね〜。
Mana:いろんなチャレンジをしてたと思う。
Yu〜ki:いや、メンバーみんな攻めてたよね。結局みんながそれぞれ個性的なことをすることで、個性がぶつかり合ってオリジナルなものが生まれたんだと思うよ。
Mana:うん。
単純に究極の美をとにかく追求したいというのがあったから、常にそれを模索してるって感じだった。大それたチャレンジはあんまりしないけど、とことんもっと美しく、より美しくっていう風に追い求めてたかな。
Yu〜ki:Manaちゃんは、言葉アレだけど狭く深い人だから。なんでもかんでも手を出す人ではなくて、突き詰めたい方向のものには誰よりも深くいくから。きっとそれがManaちゃんという人なんだなと思う。逆にManaちゃんとは違うアプローチを俺とかKöziとかがして補い合うというか。良いバランスだったんじゃない?
Mana:そうだね。ヴィジュアル系というジャンルにおいて、“中性的”という方向性ってもともとあったと思うんだけど、僕の場合は中性的を突き抜けて、より女性的でありたいという表現を目指していたんだよね、ずっと。だから着る物もどんどん女性的なものになっていった。変な話、メンバーのいるところで着替えるのも恥ずかしくて着替えられない! っていう気分が芽生えるくらいだったし(微笑)
Yu〜ki:ふぉふぉふぉふぉ。こっちも、たまに目撃すると変にドキっとしちゃってたしね。
Mana:なんかね、女の子になっちゃってたんだよね。心も。


この後も、さらに深くファッションに関する思いのたけを語り合うお二人。
後半のトピックは…
■伯爵とステッキ
■伯爵のマイブーム
■MALICE MIZER裏話
■Mana様とネグリジェ
※このコンテンツはDMMオンラインサロン内での企画です。一般公開部分以外は サロン会員専用ページにて公開中です。
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