MALICE MIZER / Moi dix MoisのギタリストManaにより1999年に設立されたブランドMoi-même-Moitiéの20周年を記念して開設するオンラインサロンのスペシャルコンテンツ『Mana様×著名ゲストによる緊急対談』。その記念すべき第1回目の今回は、>対談のお相手にh.NAOTOのデザイナー廣岡直人氏をお招きし、日本のゴシック&ロリィタファッションシーンを彩る二人の、ここでしか読めない貴重なお話をたっぷり伺います。
(文・構成/本田水奈子)

――まずはファッションとの出会いについてお聞かせください。

Mana:子供の頃からデザインは好きだったんですか?
廣岡NAOTO(以下、NAOTO): 好きでしたね。物作ったりとか。そのままトントンと来ちゃった感じです。僕、工業高校だったんですよ。
Mana: 一緒です。
NAOTO: え? Mana様って工業高校だったんですか? もしかして神戸とかですか?
Mana: いや、広島です。
NAOTO: そうだったんですね。
Mana: 何科だったんですか?
NAOTO: デザイン科だったんですよ。
Mana: そこは違いますね。私は電気科でした。
NAOTO: 工業高校って電気科とか、建築科とかあるじゃないですか。
Mana: ええ。
NAOTO: 中学校の先生に「工業高校にはデザイン科っていうのがあるよ」って教えられたんです。で、そこクラスのほとんどが女子で男子が10人くらいしかいなくて。
Mana: 工業高校で?
NAOTO: “華のデザイン科”って言われてました。
Mana: なんか楽しそう!
NAOTO: 女子が多いっていうのも、その学校を選んだ決め手ではありましたね(笑)
Mana: 私のところは女子はほぼいませんでした。
NAOTO: 普通そうですよね。
Mana: 全校生徒の中で3人くらいいるかいないか、という感じで。
NAOTO: うちも全校生徒で見れば女子は少なかったんですけど、デザイン科だけ異常に女子が多かったんです。と言っても3年間同じクラスだったので僕なんか結局女子たちからは男と思われてなかったですけどね(笑)
Mana: デザイン科では最初からファッション系だったんですか?
NAOTO: 自動車デザインとかの工業的デザインか、絵画か、ファッションしか選べなかったんですけど、神戸という土地柄かファッションを推す傾向があったんですよ。地元のファッション系の専門学校の人が教えに来てたりして。あとは当時、いしだ壱成なんかを筆頭に“フェミ男”ブームがあった時代だったんで自然とファッションに興味を持って。
Mana: もしかして当時はフェミ男っぽくメイクしてたんですか?
NAOTO: スケスケの服着てましたよ。直射日光浴びたら裸みたいな服着てて(笑)
Mana: ほぉ。今のh.NAOTOのデザインと全然違いますよね。
NAOTO: そうですね、デザインはダークになっちゃいましたね。それもまったく計算したわけではなく。工業高校出たあとは文化服装学院に行ったんですけど、YOHJI YAMAMOTOとかコム・デ・ギャルソンとかが好きだったんです。
Mana: 私も近いですね。モワティエ作る前はYOHJI着てたんで。
NAOTO: そうなんですか。あと、ベルギー系のマルタン・マルジェラとか。僕がちょうど学生の頃はそのへんがブレイクしていたので、そういう服を作りたいなと最初は思ってたんですよ。マルジェラが白い漆喰のコレクションを出していて、足袋を白く塗ったりとか服をインクで塗ったりとかしてたんで、h.NAOTOを立ち上げるときそういうのをリスペクトしてやったりしていました。
Mana: ペイント系はしたことがないので面白そうですね!
NAOTO: だからh.NAOTOの最初の頃はモード系をイメージしていたんです。
マルタン・マルジェラっぽく作ってたんですけど、お店の子から「白いインクじゃなくて赤いインクでやってもらえませんか?」っていう話が来て。
やたら赤い発注が来るんで、売れるならじゃあ作るかって作ってたんです。
Mana:  はいはい。
NAOTO: ずーっと赤ばっかり作ってて、フタを開けたら全部ヴィジュアル系の子が買ってたっていう。
Mana: そういう流れだったんですね。意外です。
NAOTO: 実は僕ちょっとショックで。
そのころぜんぜんヴィジュアル系のこと詳しくなくて、当時は怖かったというか。
別世界のものだったんですよね。
Mana: 意外とそうなんですね。
てっきりビジュアル畑なのかと思っていました。

NAOTO: ちょっと「え?」という目で見ていたくらいで。
お店の子から「バンドのライヴ行くお客さんとかが買ってるんですよ~」って言われるんですけど「嘘ぉ~。ショック~。
モード系の人が買ってるんじゃないん~?」って思って。
でもそう思ってたのは最初のうちだけで、結局そういう人たちに売れた、響いたっていう事実もあったので手ごたえは感じていました。
自分のやりたいことも並行してやりつつ売れる服も作ってたんですよね。
そうしたら自分がやりたい方向のモードっぽいものは結局売れなかったんですよ。で、ああもうこれはヴィジュアル系やっちゃうか!ってビシっと切り替えたら、そこからはもうバーン!と。
Mana: へぇ。そうだったんだ……。
NAOTO: 当時、ヴィジュアル系で活躍していた某バンドさんと会った時も「めちゃ怖っ!」って思いましたもん。
Mana: (バンド名を聞いて)え~。怖い感じの人たちじゃないのに。(微笑)
NAOTO: そうなんですけどね(笑)まったく知らないジャンルの人だっていうところで怖かったんでしょうね。
だから会話もままならず、全部僕の後ろに立っている営業の人間とかが話をしていました。
Mana: モワメーム・モワティエの存在はいつくらいに知ったんですか?
NAOTO: 新宿マルイワンにお店を出したあたりですね。
Mana: なるほど。モワティエは丸井の前に一度青山に路面店を出してるんですよ実は。そのあとに丸井に移ったっていう流れなんです。
NAOTO: どういう感じのお店だったんですか?
Mana: ホラー屋敷みたいな内装にしてましたね。木を植えて噴水作ってダークな照明で。
NAOTO: へぇ。
Mana: ヴァンパイア的な世界観を全面に打ち出していました。趣味なもので。
NAOTO: へぇ。ゴス系の店としたらかなり最初の方ですよね。
Mana: 最初かどうかはわからないですけど、東京では周りにはそんなに無かったですね。
NAOTO: 関西ではalice auaaさんとか。あとはATELIER-PIERROTさんとか始めてたかな、という時代ですよね。
Mana様はデザインもされてたんですか?
Mana: デザイン画も描いてましたよ、ずっと。スカートのプリント柄とか全部自分で作って。
NAOTO: マジっすか!めっちゃ偉いじゃないっすか!
Mana: いや~(照れ)。まぁ、ええ。
NAOTO: そういうの好きなんですね?
Mana: 好きです。ガッツリ最終入稿までパターンはめこんでやって。今はもうスタッフも私の好きなデザインの傾向が分かっているので、前ほどガッツリではないですけど。
NAOTO: へぇ。ちょっとすごいな。みんなに言っておきます。
Mana: ありがとうございます(笑)
NAOTO: だって言われません?「本当にやってるわけじゃないんでしょ?」とか「そんな時間ないでしょ?」とか。
Mana: モワメーム・モワティエを立ち上げたのが1999年なんですけど、その時から深夜事務所にこもってデザイン画描いてましね。
服飾の学校出ているわけではないんですけど、絵はもともと得意だったのでその延長線上で描いてました必死に。自分なりに、ですけど。

NAOTO: アパレルの学校行ったって描けない人は描けないですから、学校行ったとか行かないとかはぜんぜん意味ないなと思いますよ。
僕若い子に言ってますもん。
専門学校に学費払うくらいなら、その3~400万使って世界一周に行った方が有意義だよって。
Mana:なるほどね。当時は私が描いたデザインではパターンひけないってパタンナーの人に結構言われました。
そういうのを繰り返すうちにだんだん要領を覚えて学んでいったっていうのもあります。

――お二人は、お仕事以外の時間は何をされて過ごすことが多いですか?

NAOTO:料理とか。
Mana: 私も料理は好きですよ。
NAOTO:マジっすか!? 今度Mana様クッキングやりましょうよ(笑)
Mana: い、いいですね。ちなみに料理は何を作られるんですか?

NAOTO:僕は作りながらお酒を飲むのが好きなので。
Mana:ツマミ系ですか。

NAOTO:そうですね。ちょこちょこと。材料とか買うのが好きなので。

Mana:お酒はけっこう飲むんですか?

NAOTO:酒は好きなんですけど年末ちょっと体調を崩しまして。

Mana:飲み過ぎで?

NAOTO:ちょっと無茶苦茶やっちゃってたんで年末のクリスマスの前の日からしばらく酒禁止になっちゃったんです。

Mana:ほぉ。何系のお酒を飲んでたんですか?

NAOTO:なんでもイケるタチでして

Mana:ホントの酒呑み系か

NAOTO:そうなんですよ。種類関係なくなんでもあれば飲むという感じですね。
Mana:特に好きな種類とかはないんですか? ワインが好きとか。

NAOTO:全然オシャレじゃないですけど、やっぱりビールは好きですね。
Mana:私も実はビールが好きなんですよ。

NAOTO:え? そうなんですか!?

Mana:アルコール度数が強いお酒は基本飲めないんで、ビールくらい軽いものが丁度良いんですよね。だからどんなビールが美味しいんだろうって飲み歩きしてみたり。で結局、あんまりフレーバーとか入っていない方が好きというところにたどり着きました。余計なものを使わず、麦とホップだけで作られたホップの香りが際立っているビールが美味しいなというところに行き着きましたね。でもまだまだお酒の魅力は無限大。美味しいものを求めて探求し続けます。

NAOTO:僕も酒好きではあるんですけどそんなに強くはないんですよ。すぐ顔に出ちゃいますし。たまにウィスキーを飲みたいな、というようなことはあるんですけど。まぁ、体調を崩したのは酒だけでなく最近の生活習慣がダメだったのかもしれないですね。これからはお薬を飲んで、だましだまし酒飲んでいければいいかなと。

――お酒を飲んでデザインを考えたりということもあるんですか?

NAOTO:ありますよ。

Mana:そういえば私もお酒を飲んだときにひらめくことはありますね。お酒を飲むとちょっと違う自分が開放されたりするという点で、意外とほろ酔いで曲を作ることもあったり。

NAOTO:それを僕は酔拳と呼んでます(笑)煮詰まってヤバイときは酔拳使うわ~みたいな感じで。短時間でフルパワー出せるみたいな。

後半のトピックは
■禁断の年齢の話題へ…。
■モワティエの新展開を予告?
■近い将来、意外すぎるプロジェクトが始動してしまうかも!? キーワードは「村」!
この続きはサロン会員専用ページにて公開!
https://lounge.dmm.com/content/2799/

※このコンテンツはDMMオンラインサロン内での企画です。一般公開部分以外は
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